jquery.fadeMoverプラグインページを作成しました。

以前のjquery.fadeMoverプラグインの記事に不具合があった(というよりも単なるミスです。。。申し訳ないです。。。)ので、ちょっと機能アップを含め、別途ページを作成しました。

jquery.fadeMover – Fadein and Fadeout for jQuery

要素が複数あった場合に順番に処理する、という機能を新しくオプションでつけています。下記にデモページがあるんですが、ページ少し下の方にある「Box」と書かれている場所がぱらぱらとフェードインする、フェードアウトする感じになります。

jquery.fadeMover – demo4 順番にフェードイン
jquery.fadeMover – demo5 順番にフェードアウト

デモがわかりやすいように実行時間を長めに設定してるのでじれったい感じかもですが、もし利用の機会があれば、ご自身でスピードを変更して、いろいろ試してみてください。

あとページ読み込み時に全部表示されてからフェードインが実行されるのをなんとかしたい、という相談をいただいたんですが、Tipとして解決方法を掲載しています。もしお悩みの方がいらっしゃいましたら、下記「Tips」をお試しください。多少ましになるはずです。

jquery.fadeMover Tips

jQuery – メニューをスクロールに付随させてみる

最近国内のサイトでもちょくちょく目にするようになった「スクロールに付随するメニュー(「ユニクロ 特集/+J FINAL COLLECTION | MEN – ユニクロオンラインストア[store.uniqlo.com]」のページの少し下の方にあるメニュー一覧のような動きになるもの 2011年12月2日時点)」を実装してみます。

この実装はすごく簡単で、スクロール位置と固定する要素の位置を比べ、スタイルを書き換えるだけです。

jQuery メニューをスクロールに付随させてみるサンプル(headerFixedBoxを固定)
jQuery メニューをスクロールに付随させてみるサンプル(asideFixedBoxを固定)

サイドバーに固定要素を置く場合は、フッターにかぶってしまうことがあると思うので、それを回避するように条件を加えてみました。

$(function(){
floatBox("#headerFixedBox");
floatBox("#asideFixedBox", 1);

//ele=固定する要素、flag=サイドバーに固定する要素があり、フッターにかぶらないようにする場合に「1」を指定
function floatBox(ele, flag) {
	//固定する要素を取得
	var box = $(ele);
	//固定する要素の位置を取得
	var fixed_box_offset = box.offset();
	//固定する要素のサイズを取得
	var box_size = {"width": box.width(), "height":  box.height()};
	//フッター要素の位置を取得
	var footer_box_offset = $("#footer").offset();
	//スクロールイベントが発生したら実行
	$(window).scroll(function() {
		//スクロール位置を取得
		var scroll_val = $(this).scrollTop();
		//固定する要素の位置よりスクロール位置が大きくなれば...
		if(scroll_val > fixed_box_offset.top) {
			//固定する要素にtop:0が指定されていなければ...
			if(box.css("top") != 0) {
				//スタイルを追加
				box.css({
					"position": "fixed",
					"z-index": 999,
					"width": box_size.width,
					"height": box_size.height,
					"top": 0,
					"bottom": "auto"
				});
			}
			//フッターがあり、横メニューがかぶらないようにする場合は...
			if(flag == 1) {
				//フッターの位置よりスクロール位置が大きくなれば...
				if(scroll_val > (footer_box_offset.top - box_size.height)) {
					//スタイルを追加
					if(box.css("bottom") != 0) {
						box.css({
							"position": "absolute",
							"z-index": 999,
							"width": box_size.width,
							"height": box_size.height,
							"top": "auto",
							"bottom": 0
						});
					}
				}
			}
		//固定する要素の位置よりスクロール位置が小さければ...
		} else {
			//固定する要素のstyle属性を削除
			box.removeAttr("style");
		}
	});
}
});

あとは固定する要素の位置を取得するための、もととなる要素のCSSに「position: relative;」を指定します。

/*
#headerFixedBoxのもととなる要素
*/
#wrap {
	position: relative;
	margin: 0 auto;
	width: 900px;
}
/*
#asideFixedBoxのもととなる要素
*/
#aside {
	position: relative;
	float: right;
	width: 280px;
	min-height: 1600px;
	background: #111;
	color: #eee;
}

と、これでスクロールしてもついてくるメニューの完成です。

コピペですぐ使えるように関数化しているのですが、関数内にフッター要素のIDを直接していしている箇所があります。もし利用される場合は、関数内の「#footer」のところを、ご自身のサイトのフッターに割り当てているIDに変更してください。

	//フッター要素の位置を取得
	var footer_box_offset = $("ここを書き換え").offset();

今回はスクロールしてもついてくるメニューということで簡単なものをつくりましたが、これを元にして、ある一定箇所までスクロールしたら要素を表示させる、といったこともできます。

ソースをいじってテストできるようにJS Binにも置いておきました。いろいろ確認してみたい方はどーぞ。

JS Bin ソース確認用

jQuery ちょっと高速化に挑戦してみる

jQueryを使っていると「なんだかもっさりするな。。。」と思う場合があります。こういう場合、書き方を見直す事で、かなり改善する場合があります。今回は「ちょっと高速化」を目標に書き方のポイントを紹介してきます。

■ 要素選択の記述を見直す

jQueryはセレクタやトラバースメソッドを使って要素を選択しますが、書き方によって大幅にパフォーマンスが上がる場合があります。

下記HTMLの中の「※ ここを見つける ※」というテキストを「■■■ 書き換えたよ ■■■」に入れ替えたい場合、どう書きますか?

<script>
$(function(){
	○○○.text("■■■ 書き換えたよ ■■■");
});
</script>

<div id="wrap">
	<div id="content">
	<h1>タイトル</h1>
	<p class="text">テキスト..................</p>
	<div class="text">※ ここを見つける ※</div>
	<div class="text">テキスト..................</div>
	</div>
</div>

テキストの書き換えは「.text(“■■■ 書き換えたよ ■■■”)」で書き換えることができます。その前の要素を選択するところ(○○○)を考えて見て下さい。

おそらく人によって書き方がかわってくると思います。思いつくものを、ざっと下記に上げてみました。

<script>
$(function(){
	$("p + div").text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //0.679秒
	$("p").next().text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //0.693秒
	$("#content").find("div").first().text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //0.746秒
	$("#content div").eq(0).text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //0.767秒
	$("div.text").first().text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //0.762秒
	$("#content div").first().text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //0.778秒
	$("p").next("div").text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //0.808秒
	$("div#content").find("div").first().text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //0.945秒
	$("div.text:contains('※ ここを見つける ※')").text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //1.164秒
	$("div.text:first").text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //1.803秒
	$(".text").eq(1).text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //0.697秒
	$("div.text").eq(0).text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //0.753秒
});
</script>

後ろに添えている「//○○秒」は繰り返し同じ処理をさせたときにかかった時間です(Firefox7で10000回ループでチェック)。上から順番に実行結果の速い順に並べています。一番速いものに比べ、遅いものは3倍近く時間がかかっています。上記の動作確認ページが下記です。

jQuery 高速化のための記述テストサンプル

このように要素取得の書き方の違いだけで、これだけの差がでてきます。では具体的に書き方のポイントを見ていきましょう。

まず下記2つ。

	$("div.text:first").text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //1.803秒
	$("#content div:first").text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //1.815秒

遅い原因は「:first」です。「一番最初のもの」という指定ですが、かなり実行に時間がかかります。これは「.first()」を使うことでかなり速度が上がります。「:○○」系のものは、実行に時間がかかってしまうものがいくつかあるようなので、代用できるメソッドが用意されている場合は、そちらに書き換えましょう。

次に下記を見比べて下さい。

	$("#content").find("div").first().text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //0.746秒
	$("div#content").find("div").first().text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //0.945秒

違うのはセレクタに「div」を付けているかどうか、というだけです。この記述だけで20%以上速度が変わっています。id属性はページ内に一意(一個だけ)というルールがあるので、HTMLタグを指定する必要はありません。id属性を検索する場合はHTMLタグを付けないようにしましょう。

「 $(id属性) 」は「 $(HTMLタグ) 」と指定するよりも速度が上がります。もしid属性が割り当てる事ができるのであればHTMLタグにidを割り当て利用してみてください。

では次。

	$("#content").find("div").first().text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //0.746秒
	$("#content div").first().text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //0.778秒

「$(“#content”).find(“div”)」「$(“#content div”)」はともに「id contentの要素の中のdivを選択」という記述ですが、「find()」を利用した方が少し速くなります。書く時には「$(“#content div”)」の方が見やすいので、自分自身こちらを使う事が多いのですが、少しでも速度UPをしたい方は「find()」を使うようにしましょう。

次はclass属性の指定について。

	$(".text").eq(1).text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //0.697秒
	$("div.text").eq(0).text("■■■ 書き換えたよ ■■■"); //0.753秒

「class属性を指定する場合はHTMLタグも指定する方が速いよ!」と覚えている方もいるかと思いますが、基本IEのバージョン8以下の場合です。もしスマートフォンのみをターゲットにした場合、HTMLの記述(classの指定箇所やHTMLタグの数)次第では、HTMLタグ指定はない方が速度UPすることがあります。

と、ここまでをまとめると、

・「:○○」系のものは、代用できるメソッドや書き方があれば、そちらを利用する。

・ id属性にHTMLタグは付けない。もしHTML側でid属性を付けることができるなら、積極的に利用する。

・ find() メソッドは積極的に利用する。

・ class属性にHTMLタグを添えるとIEのバージョン8以下では速くなる。それ以外ブラウザの場合はHTMLタグがない方が速度UPの可能性あり。

となります。

■ 繰り返す記述を見直す

「繰り返す記述」というのは何回もプログラムを実行する記述箇所です。下記の悪い例、良い例を見比べて下さい。

【悪い例】

	$("#content").append("<p>書き換え済み</p>");
	$("#content").find(".text").css("color","red");
	$("#content").find(".text").text("■■■ 書き換えたよ ■■■");

【良い例】

	var content = $("#content");
	var content_text = content.find(".text");
	content.append("<p>書き換え済み</p>");
	content_text.css("color","red").text("■■■ 書き換えたよ ■■■");

悪い例では「 $(“#content”) 」が3回、「 $(“#content”).find(“.text”) 」が2回記述されています。「 $(“….”) 」と記述すると指定された要素を抜き出す処理が実行されます。「 $(“#content”) 」が3回記述されているといことは、同じものを3回抜き出す処理が実行されているということです。

良い例では、抜き出したものを変数に入れ、その後は変数の中身を利用することで、何度も同じ処理を実行しないようにしています。

また良い例の方では「.css(“color”,”red”).text(“….”)」と処理をつなげています。同じ要素に対して複数の処理をしたい場合、「.(ドット)」でつなげて記述することができます(これをメソッドチェーンといいます)。つなげられるものは、つなげて書いてみましょう。

次は、やりがちなfor文の中で何度も処理を実行する例です。

【悪い例】

	for(var i=0; i<10; i++){
		$("#content").append("<p>テキストを追加しました。</p>");
	}

【良い例】

	//new Array() = データを入れる配列を生成
	var add_data = new Array();
	for(var i=0; i<10; i++){
		//.push データを配列に入れる
		add_data.push("<p>テキストを追加しました。</p>");
	}
	//add_data.join('') 配列を結合
	$("#content").append(add_data.join(''));

「id content 内に10回コンテンツを追加する」という記述です。

悪い例では「 $(“….”) 」「 append(“….”) 」の2つを10回実行しているので、処理に時間がかかります。これを良い例の方では、それぞれ1回のみ実行するように書き換えています。

良い例のコメントをつけている部分はjQueryではなく、素のJavascriptの記述です。毎回 append でデータを追加するのではなく、追加するデータを一旦配列に入れ、そのデータをまとめて最後に追加しています。

もしfor文やwhile文内で append 等で追加している場合は、良い例のようにforの外で追加するよう書き直してみてください。処理速度は数倍、数十倍UPするはずです。

上記2つの例のように同じ処理を何度もさせるような書き方をしている場合は、できる限り処理が少なくなるような書き方に直しましょう。

■ 最後に処理時間の計り方

実際に書き直しをすると、どのくらい速くなっているか知りたい!と思うはず。たいしたものではないですが、すぐに計測できるようスクリプトを付けておきます。これを利用して今どれくらい時間がかかっているのか、書き直してどのくらい速くなったか確認してみてください。

<script>
$(function(){
	//繰り返す回数
	var end_count = 1000;
	var start_time = new Date();
	for (var start_count=0; start_count<end_count; start_count++){
		//実行する処理を書く
	}
	var end_time = new Date();
	var msec = (end_time - start_time)/1000;
	alert("結果:"+ msec +"秒かかりました");
});
</script>

ふう。。。長くなりましたが、以上の書き方を見直せば、ちょっとどころではなく、えっ!と驚く程速くなるかもしれません。ぜひぜひ高速化に挑戦してみてください。

※ちなみにjQuery本体はできるだけ新しいものを利用した方が速くなる可能性があります。ですが、プラグインが動作しなくなったり、未知のバグがあったりするので、jQuery本体を差し替える場合は要注意です。しっかり動作確認してから差し替えましょう!